海の向こうからは早くも次期政権のスタッフを公表し準備に余念のないオバマ氏の活躍が報じられる。一方のわが国では、口の聞き方知らない、漢字読めない、空気も読めない、政策作れない、世間知らない、おまけに選挙できないトップが今日も恥を知らない発言で、諦めムードの広がりは歯止めを知らない。アメリカがちょっとうらやましく感じてしまうなんて、世も末だ。
居酒屋アルバイトの大学院生が路上で強引な客引きをしたとして逮捕されたというニュースが流れた。なんだか気の毒な話だ。強引な客引きは確かに迷惑だが、悪の根源は客引きをさせた居酒屋の経営者にあるはずなのに、経営者はお咎めなしという。なんでも報酬は客引き成功の場合1人につき50円だったそうだ。たった50円のために将来のある若者に逮捕歴という汚点がついてしまった形だ。
どうにもこの手の不条理、不正義の蔓延が今回の元次官殺害や、秋葉原の事件を起こした犯人に見られるような人格異常者を生み出す背景になっているような気がしてならない。
明らかに横領しているのに証拠がないので解雇もされぬ社保庁の職員。人の命を軽く扱う医者や製薬会社。家畜に共食いをさせる酪農家。安全を置き去りにする食品業界。働きもしないのに法外な退職金をもらい歩く天下り官僚。公的資金で救われたはずの銀行が貸し渋り。中小企業が黒字なのに破綻。問題は先送りでバッチに固執する政治家。子を叱らない親や教師。日本で生まれ育った子がフィリピンに強制送還。
こうした人間たちが作る社会で育つ子ども達に公共マナーや人を思いやる心が育つわけがない。
この世で生き抜くためには金が全てとなり、良心や郷土愛は地に落ちる。テロリストが褒められ、詐欺師が胸を張る時代の到来は近いだろう。
言い方を変えて整理したい。
地域、家庭、教育、文化、経済、政治といった社会の安定性を支えるバックグラウンドが崩壊すると、社会的な懐がなくなり、人格異常者や精神異常者に対する受け皿も小さくなる、その結果、昨今の異常な事件・事故が起りやすくなる。逆に言えば、全ての事象はその時その世代が作りだす社会の産物なのだ。
なんでもバブル期に若者だった世代の特徴は、1.借金してでも欲しいものは手に入れる。2.デートの時、女の子にはお金を出させない。3.カタカナ職業に憧れる。だそうで、今の若者には一切通じない特徴だという。
私は変わり者で世の常識にはとらわれないで生きてきたつもりだが、上記の特徴に完璧に収まっていることに気がついて愕然としてしまった。
どんなに粋がっていても、やはり社会の流れには逆らえないものなのだ。
せめて、みたけカヌー教室という存在が社会のエディになれるように頑張ろう。